XC(パイロンレース)

自然を読み、空中の見えない道をどう探るのか?
一瞬の駆け引きや、コースをめぐる心理戦が勝敗を左右するスピードレース

見どころ

パラグライダーのメインであるこのレースは、いかに早くゴールにたどり着くか!?を競うものですが、風だけを使って道のない空を、遠回りしたりショートカットを繰り返しながら、時には6時間を超え空中を飛び続けゴールを目指していきます。その中でゴールにたどり着くというのは勿論ですが、他の選手との技術的、精神的な駆け引きをしていく難しさがこのレースの魅力です。

勝敗

レースの地図

スピードレース。決められたパイロン(チェックポイント)を順に通過し、一番早くゴール地点まで行けるかを競う。2~14日間の日程で行われ、トータルの得点で勝敗がきまります。

レース説明

発表されたタスク

レースのコースはその日の気象に合わせて設定されます。選手はレース内容(タスク)をフライト前のブリーフィングで知らされ、GPSに打ち込んでいきます。(チェックポイントは大会前に全員GPSに入力される。)

チェックポイント(ウェイポイント)にはシリンダーと呼ばれる範囲が設定されていて、その円柱に入ることでチェックポイントは通過されたとみなされます(高さに制限はない)

シリンダーの大きさは、タスクの内容によって変化します

シリンダーに入ったかどうかは、GPSで確認していきます。

GPS機器

スタート方法

XC競技においてスタートは特殊な方法で行われます。スタートが通常2つあり、1つは離陸のスタート時間、そして2つ目が空中でのスタート時間。XC競技は空中のスタート時間から時間計測が始まります。地上では離陸するのに時間差ができてしまい、離陸をスタートとすると、条件において不公平となってしまうため、空中でのスタート時間が採用されています。選手たちは地上でのスタート時間後、好きなタイミングで飛び出し(場所によっては順番に離陸する)空中のスタート時間まで空で待機します。

スタート前の様子

空中でのスタートは、他のポイントと同じく設定されたシリンダーの線をスタート時間後に切ることでスタートします。それまでに選手たちはできるだけ高い高度に位置を取り、時間と同時にスタートを切っていきます。

レースの駆け引き

山添いを飛ぶのか、それとも平野を飛ぶのか。雲を使うのか、または、風のぶつかるところを使っていくのかといった条件をどのように使っていくのかが難しくもあり、このレースの魅力でもあります。また、レースのルール上、他の選手の後を追っていくよりも、他の選手よりもリスクを負ってでも先に進む選手に対してボーナスポイントが付くスコアリングになっているため、自然を読む力、大胆なコース取り、勝負強さがそこに出てきます。
また、ワールドカップや世界選手権といった海外のレースでは6~14日間、連日フライトして競技をするので、選手のスタミナはそのまま集中力とつながります。長期間のレースの中での順位を維持していくのもまた駆け引きが必要になってくるのです。

パラグライダーの競技では単独でフライトするよりも複数で飛ぶほうが確実に有利に、早く飛ぶことができます。
そういう意味では自転車レースのようではありますが、その必要性は、目に見えない上昇気流を一人で探すよりも複数で探していったほうが効率が良いからです。
また、上昇気流からの離脱のタイミング、コース取り等非常に心理的な駆け引きの多い競技です。

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